海外へ行くときはいつも日本の金券ショップで両替をして行っていたのだけれど、現地のほうが手数料が安いと聞いて、今回の旅はイギリスで日本円をポンドに替えることにした。場所によって値段(手数料)が違うのは、日本と同じ。結果、日本で両替していくのとそんなに変わらなかった。
私がよく利用している大阪駅前第二ビルにある金券ショップの場合、5£・10£・20£…何枚ずつにされますか?と希望の枚数を聞いてくれるのだけど、イギリスではそういうわけもなく、全部20£の紙幣といくらかの小銭になって返ってきた。
その20£の束は異国の紙幣ということもあってか使い古されたおもちゃみたいに感じて「このお金を全部新札に替えたい」と彼に伝えたけれど、この国では”storenge”、そぅ、「変」らしい。銀行に行って尋ねてみると対応してくれた人も「どういうこと?」と聞き返すほど”unusual” なことらしかった。そもそも新札を常備していないようだ。
それでも、「10£で試してみよう」と言ってくれて、20£を全部10£に替えてくれた。
新札とまではいかなかったけれど、返ってきた10£のお金は20£の紙幣の状態よりずっとよかった。
綺麗なお金のほうが使うとき、大切に思える。
数日後、イギリス発信の電話番号から着信があった。不思議に思いながらも
彼に「何でだろう?」と話していたら、彼の電話にも着信と伝言があったようで「何か落し物をしていない?」と聞かれた。
!!!
両替をしに行った銀行に、パスポートが入ったケースを丸ごと忘れてきてしまっていたのだ。しかも、電話があるまで気づかなかった。彼らはその中に入っていた飛行機の予約表に載っていた私のメールアドレスにまでメールを送ってくれていた。
翌日引き取りに行くと、窓口へ辿り着く前に銀行の方が私に気づき「パスポートを忘れた人だよね?」と話しかけてくれた。「大使館に電話をするつもりだったのよ」と通りすがりの別のスタッフの方に言われて、私はすっかりこの銀行で有名人になってしまったようだった。
戻ってきたケースの中身を確認すると、念のためにと持っていた日本円とユーロを入れた封筒が入っていた。それも私にとっては結構な額…。びっくりだった。お金まで入れていたとは思っていなかった自分と、イギリスでお金を落とし取られることなく戻ってきたことに。
” 私は運がいい “
普段からそう思うようにしている。そのおまじないが効いたのだと信じている。