きっかけは突然やってきた。2019年10月28日。その日は蠍座の新月で、願い事を書くため、コンラッドホテルのラウンジへ向かった。コンラッドホテルのラウンジは40階にあって、伊丹空港が見えるほどの気持ちいい眺めでかつ、月に近い。そんな理由で新月や満月の日に時々この場所へ来るようになった。伊丹空港を飛び交う飛行機を眺めながら、“遠くへ行きたい”とか“人生を変えたい”とかそんな思いが込み上げてきた。
願い事を書いた日の深夜1時頃、ふと目が覚めてiphoneを見るとまゆちゃんからLINEが届いていた。
「まいちゃん、11/4にバシャールに会いにLAに来ない?」
それはあまりにも突然すぎるお誘いだったけれど、“昼間思い巡らせていたことがやってきた!”と思った私は、興奮してしばらく眠れなかった。

新月の翌日は、keikoさんと初めて2人で食事へ行く日だった。keikoさんはよく行っていたバーで知り合った人で、挨拶を交わすくらいの距離感で、私にとっては少し遠い、憧れのような存在だった。そんなkeikoさんと1ヶ月前ほど前、久しぶりに家の前の通りでばったり会ったのだった。そこで一緒にご飯に行こうという話になった。最初は何人かでという話だったけれど、私はkeikoさんと2人で話してみたいと別れた後にふと思い、「2人で行きませんか」と誘ったのだった。
バシャールのことは数ヶ月前から潜在意識に興味を持ちはじめた私にまゆちゃんが教えてくれたのだけど、深く調べることもせずにいた。たくさん本も出ているし、YouTubeで検索してもいろいろ出てくる。それでも私の周りでバシャールを知っている人は限りなく少なかった。“keikoさんは知っているだろうか…知っていたらバシャールに会い行くということをどう思うだろうか…”そんな思いで尋ねてみた。
「えぇぇっ!バシャールに会えるの!?」
Keikoさんはバシャールを知っていたのだ。
「まいちゃん、時間はあるの?お金は後からでもなんとかなるから、時間があるんだったら絶対行ったほうがいいよ。」
ある程度のお金が溜まってはイギリスへと足を運んでいた3年半。恥ずかしながら貯金なんてなかった。“行くなら親に借りて行くしかない、でも宇宙人に会いに行くなんて言って貸してくれるだろうか…”
あの時のそわそわした気持ちは今でも忘れはしない。
LAに行くなら遅くても11月3日には日本を出発しなければならない、その日は撮影の仕事が入っていたのに、まゆちゃんからのお誘いの後、先方の都合でキャンセルになったところだった。“なんだかシンクロがどんどん起きてる気がする…行けって言われてるような気がする…”気持ちが高ぶる中、留めを刺すような出来事が起きた。
「まいちゃん、もしどうしてもお金が足りなかったら、貸してあげるから。ちなみにいくら要るの?」
「全部合わせて40万要るんです。」
「ちょっと待って、まいちゃん。びっくりなんだけど、私今、現金ちょうど40万持ってるの!!!」
それには2人して驚いて、
「もう行けって言われてるよー!」
とkeikoさんが言った。私もいよいよ確信して、その場でまゆちゃんへ「行く」という返事をしたのだった。シンクロニシティだ。
・・・つづく。
バシャール/BASHARはオリオン座近くにある「エササニ星」に住む宇宙存在。ダリル・アンカさんが1980年代にUFOを目撃したことからチャネリング、つまり宇宙人と肉体を通してメッセージを伝えることができるようになったとされている。1987年には日本で初めて「バシャール」の本が出版され、これまでにシリーズ累計200万部の大ベストセラーとなっている。
シンクロニシティ/Synchronicityとは共時性、意味のある偶然の一致、虫の知らせなどを言う。それは「決断を後押しするため」にあり、「その方向で合っている」と伝えるための宇宙からのサイン。バシャールはシンクロニシティは至る所で起きており、意識が研ぎ澄まされていればそのサインに気づきやすくなると言っている。